スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

4月, 2020の投稿を表示しています

パラマウントベッドHD(7817)の財務分析

会社概要 パラマウントベッドHD(7817) 医療・介護用ベッド最大手。施設向けに強み。子会社でレンタル・メンテなども。 同社の収益セグメント ・ベッド事業:医療用・介護用ベッド、マットレス等の販売 ・レンタル事業: 福祉介護器具のレンタル 【参考】ベッド事業の販売先 介護・医療市場の動向 介護分野では、介護施設利用者数が2025年に140万人を超える見通しのほか、要介護者数は600万人を超える推計。介護用品の需要増加が見込まれる。 医療分野、病床数に大きな変化はないと考えられる。したがって医療ベッドの需要は今後も過去と同程度もしくはそれ以下で推移する見込み。 財務分析および今後の見通し 市場では、介護分野での強い需要が見込まれる。ベッド事業のみならず、介護分野で様々な収益源を持つ同社は、市場のトレンドとも相まって、収益面で大きな飛躍が期待できる。 経営・財務 事業間のシナジーが非常に高く、収益力がある  現金を多く保有、かつ毎年安定的にキャッシュを稼いでいる 余剰資金が多く、株主還元や積極的な新規投資に期待できる  ベッド事業 引き続き、強い需要が見込まれる  レンタル事業から顧客が流入している、事業間シナジーがある  介護分野では、介護施設・在宅介護における強い需要  現時点の主要販売先である医療は、引き続き安定した収益源に スリープテックへの参入を模索、新たな収益の柱 ■売上高(単位:百万円) ■財務基盤安定、非常に高い手元流動性 ■利益構造、損益分岐点売上比率は66%

【戦略事例】レイヤーマスターとは?

レイヤーマスターとは? レイヤーマスターは、バリューチェーンの一機能に特化し、その機能で圧倒的な規模を獲得する手法である。デコンストラクションの一種。デコンストラクションとは、既存のバリューチェーンを再構築し、生産性を高める仕組みのことで、レイヤーマスター以外にオーケストレーター、マーケットメーカー、パーソナル・エージェントがある。 hirameki.com より抜粋 レイヤーマスターの優位性と導入事例 優位性としては以下の点が挙げられる。 規模の経済によるコストダウン(材料費、管理コストなど) 複数企業から受託することによる生産量の平準化(特需などに左右されない) コストダウン効果を受託価格に反映することによって価格競争力が上がる 台湾の半導体受託メーカーである TSMC はこのビジネスモデルを導入している。元々、中国の半導体メーカーは生産から販売まで一貫して行う企業が多く、中小企業は苦戦を強いられていた。TSMCはバリューチェーンの「製造」という領域に特化し、レイヤーマスターとなる。現在ではファウンドリ市場(半導体の受託製造)で世界シェアの約50%を占めている。また、レイヤーマスターは業界特有の事情にも対応している。少し古いが、メモリーテックというCDの生産会社は、複数のレーベル会社と関係を結ぶことで、生産量を平準化することで、ヒット曲にも対応できるようにしている。 参考文献 ビジネスモデルの教科書【上級編】 著者 : 今枝昌宏 東洋経済新報社 発売日 : 2016-07-29 Amazonでレビューを見る»

【戦略事例】顧客の囲い込みに重要なアマゾンの金融戦術

アマゾンの金融事業 Amazonはアマゾンマーケットプレイス出店者向けの融資制度を設けており( アマゾンレンディング )これが顧客の囲い込みに大きく寄与している。仕組みとしては、短期資金に困っている出店者に貸し付け、売上から差し引くことで返済が行われる。融資は継続性があるため、アマゾンは顧客との長期的な接点が作れるほか、利子収入による収益チャネルとしても機能する。なにより、顧客は融資返済のためのモチベーションが働くことから、取扱高にもプラスの効果が期待できる。 参考文献 ビジネスモデルの教科書【上級編】 著者 : 今枝昌宏 東洋経済新報社 発売日 : 2016-07-29 Amazonでレビューを見る»

【戦略事例】ZARAのバリューチェーン

ZARAのバリューチェーン ■設計 自社で内製。多くのデザイナーを雇っている。 → 人員を多くすることで、新作コレクションの創作を1ヶ月で済ます ■製造 元々のルーツが製造業者であることを生かし、かなりの商品を内製している → 続々と出てくる新作の製造に対応しやすい ■配送 自前のトラック部隊を持ち、スペインの集中型物流センターから24時間以内に店舗に運ばれる。服はハンガーにかけられた状態で運ばれる。 → 配送コストがかさむが、店舗に着いたらそのまま売れる ■販売 店舗は一等地、かつ大規模新商品は限られた数だけ送られ、店員から売れ行きに関するフィードバックを得る。これをその後の製造量などの判断材料とする。 ■マーケティング 一等地に構え、品揃えが逐一変わるため、店舗自体が広告として機能する。 → 宣伝費は他社と比べ、かなり低い 参考文献 〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略 著者 : ジョアン・マグレッタ 早川書房 発売日 : 2012-09-21 Amazonでレビューを見る»

【用語集】スタック・イン・ザ・ミドル

マイケルポーターの言葉。あらゆる顧客に気に入られようとする企業が、一方では「必要にして十分」なニーズを満たすコストリーダーに、他方では(何らかの重要な属性を)「より多く求める」顧客をよりよく満足させる差別化企業にはさまれ、身動きがとれなくなる状態をいう。 ■参考文献 〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略 著者 : ジョアン・マグレッタ 早川書房 発売日 : 2012-09-21 Amazonでレビューを見る»

推薦図書(アナリスト編)

推薦図書 外資系アナリストが本当に使っているファンダメンタル分析の手法と実例 著者 : 松下敏之 プチ・レトル 発売日 : 2017-07-04 Amazonでレビューを見る» 具体的な企業を例に、フレームワークに沿って、強みや参入障壁などを分析していきます。分析に深い洞察があり、アナリストを志す人にとっては、大変勉強になるかと思います。バリュエーションにDDMを使用しており、大変興味深かったです。 証券アナリストのための企業分析(第4版): 定量・定性分析と投資価値評価 著者 : 北川哲雄 東洋経済新報社 発売日 : 2013-09-27 Amazonでレビューを見る» 証券アナリスト試験の推薦本にもなっています。アナリストの社会的責任・役割から企業分析の方法まで、アナリストに関して体系的にまとめられている本です。良書だと思います。 No.1アナリストがいつも使っている投資指標の本当の見方 著者 : 吉野貴晶 日本経済新聞出版社 発売日 : 2015-06-08 Amazonでレビューを見る» 有名なアナリストの1人、大和証券・吉野さんの本。吉野さんの分析は、いつも切り口が面白くて、よくレポートを見ている。この本は、基本的な投資指標の丁寧な解説に加えて、「PBRは景気の谷で見るべき指標」といった具合に、どういった場面で使うのが最適か教えてくれる。

コロナウイルスの広告業界への影響(IAB資料参照)

コロナウイルスは広告業界にも波及 IAB(Interactive Advertising Bureau)が3月27日に公表した「Coronavirus Ad Spend Impact: Buy-side」によると、コロナウイルスの影響は広告業界でも深刻化している。およそ400の広告バイサイド(広告主や広告代理店)に調査したところ、以下が判明した。 74%が金融危機時よりも広告出稿に影響があると回答 「かなりの影響」が44%、「なんらかの影響」が30%という回答結果に。 70%が広告の減額もしくは停止を決定 3月〜6月の広告費について、46%が減額し、22%が停止した。 Traditional Mediaへの影響はより大きい 以下は、Traditional Media(テレビ・新聞)とDigital Media(ネット)のそれぞれの時期別減額率(3-4月、5-6月)を示したグラフだ。Traditional Mediaの減額幅はデジタルと比較して5~7%ほど大きい。 屋外広告をはじめとし、全ての広告媒体で予算が削減 以下は広告媒体別の予算減少率である。屋外広告が最も高くマイナス45~51%、その他にラジオやテレビ、デジタル広告でも40%強が削減されている。また、SNSでも33%の削減が見られ、FacebookやTwitterの売上に大きく影響しそうだ。 広告の戦略はメッセージ戦略に転換 パフォーマンス(広告を通じた売上の向上)よりもメッセージ(ブランド価値を伝えること)を重要視するようになっている。今はいくら頑張っても商品が売れないことを見越してか、消費者からのブランド価値向上に注力している様子。 戦術・手法の転換 Audience TargetingやDevice targetingが増えていることから、特定のセグメントにアプローチしたい意思が読み取れる。上記の戦略転換と関連して、メインターゲットに対するブランド価値の向上を目指している。 7月以降は回復基調を見込んでいる 以下は3Q、4Qの削減率を予想したものだが、それぞれ75%・88%と回復を見込んでいる。 調査対象 出典 IAB(Interactive Advertising

4月の注目銘柄(ネットキャッシュ倍率によるスクリーニング)

※投資は自己判断でお願いします 相場は不安定 今月に入ってからも不安定な相場は続いています。日経平均は、3月後半に16000円台をつけ、その後19500円まで急反発。しかし再度失速し、先週末は17800円で引けるという展開。 いつ買うべき、何を参考にするべき? こんな状態の一方、仕込みの準備を始めている方もいらっしゃると思います。しかし、この乱高下の中で相場に入るのは非常に難しく、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。「日経平均の底は、8〜9月になるだろう」との見解を示すアナリストもおり、未だに実体経済・業績への影響は不透明なままです。ただ、こうした「底の一歩手前(一番底)」と呼べる段階で、参考にできる指標があります。 ネットキャッシュ倍率 1番底で投資家によく使われる指標は、ネットキャッシュ倍率です。ネットキャッシュ倍率は以下の計算式で求められ、リーマンショックのような特殊な相場の時に用いられます。実際、リーマンショック時の底は2009年3月10日ですが、その前の2008年12月から2009年1月の間で、この指標の有効性が特に高くなったそうです。 (出典:吉野貴晶. No.1アナリストがいつも使っている投資指標の本当の見方) ネットキャッシュ倍率 = ネットキャッシュ ÷ 時価総額 ネットキャッシュ倍率は、こうした特殊相場の中で割安割高を図る指標であり、100%以上の会社が買われやすくなります。景気後退感が強い中で、会社の解散価値が重視されるようになり、時価総額に対して多くのキャッシュを保持している会社の魅力度が相対的に高まるためだと考えられます。 注目銘柄 以下は、高ネットキャッシュ倍率の銘柄です。3点を軸にスクリーニングしました。 ネットキャッシュ倍率が80%以上 長期的(5〜10年)に需要増が期待できる業種 コロナウイルス後にV字回復が見込める業種 時価総額300億円以上 コード 企業名 ネットキャッシュ倍率 株価騰落率(%) 時価総額 概要 2121 ミクシィ 115.9% -12.86% 1,246.22億円 国内最大級SNS「ミ