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投資のヒント、中国経済が鍵を握る


中国国家統計局は16日、10月の国内小売売上高を発表。10月は3兆8576億元と前年同期比で4.3%の成長となった。また、前月比では1.0%増となり、国内消費は順調な回復を見せている。内訳上位では、化粧品が18.3%増、自動車が12.0%増となった。

小売売上高(中国、日本)



source: tradingeconomics.com

同日発表された鉱工業生産では、前年同期比6.9%増と7ヶ月連続の増加となった。また、前月比では0.78%増となった。内訳では、新エネルギー車が94.1%増、産業ロボットが38.5%増、掘削機が30.2%増、マイクロコンピューターが28.0%増、IC・集積回路が20.4%増となった。

鉱工業生産(中国、日本)



source: tradingeconomics.com

中国経済は企業活動、消費の両方で回復が見られており、第4四半期ではこのペースがさらに加速すると予想されている。

中国関連銘柄に注目


中国経済の回復ペースが早まっていることを受けて、日経中国関連株50指数は2%の上昇となった。日経中国関連株50はソニー、村田製作所、ファナックなどの電気機器、信越化学工業などの化学メーカーが主要構成銘柄となっており、中国売上高が大きいパイを占める企業が連なる。その中から今回はコンシューマー系企業に焦点を当て、注目企業を3つほど選出した。


出所:日経

日産


日産は9月の中国販売台数が前年同月比で5.1%増、4月〜9月の累計で4.2%増となっている。10月のグローバル販売に占める中国での販売台数の比率は36%となっている(4〜9月期の累計では41%)。背景には、中国小売市場の回復と電気自動車需要の高まりが挙げられる。また、中国は2035年までに新車販売の全てを環境対応車にすると発表しているが、これを受けて日産ではEV車以外の全車種をハイブリッド仕様にすると発表した。今後、国策需要の取り込みが期待される。

資生堂


資生堂は、2020年の第3四半期決算で中国販売が前年比で7.9%増となったと発表した。特に好価格帯のプレステージが前年比で20%半ばの伸びとなっており、事業全体を牽引している。また、中国国内のEC売上高が堅調に推移していることも後押しし、中国のEC比率が30%となった。香港における感染再拡大や競争環境の激化などから会社予想は下回ったものの、依然として強い小売市場や独身の日セールでアリババが過去最高売上を記録したことなど、足元では好材料が多い。

良品計画


良品計画は2005年から中国に進出しており、現在は中国本土に274店舗、香港・台湾を合わせると347店舗を構えている(国内は438店舗)。海外収益の約半分を中国本土が稼いでおり(韓国・台湾・香港を含む東アジアセグメントでは構成比80%)、3〜5月期ではロックダウンなどの影響から中国売上高が4割強、海外売上高が前年同期比で3割程度落ち込んだ。その後、中国経済の回復とともに業績も戻ってきてはいるものの、依然として厳しい状況が続いている。しかしながら、足元では中国を中心に好材料がおおい。良品計画では、10月から価格改定に着手する。また、中国への集中投資をさらに加速させる見通しで、21年8月までに新たに28店舗を出店予定、これによってさらなる収益向上が期待できる。さらに、コロナ禍において急務とされている経営効率の向上策として、不採算事業からの撤退や本部コスト圧縮、徹底された在庫管理に着手すると発表している。選択と集中による経営のスリム化に乗り出した今、まさに転換点にあるといえるだろう。

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